地元・球磨人吉ではよく知られた、36年続いている和食の店。初めて行ってみた。
市内の五日町の目抜き通りで、店の周囲には駐車場は見当たらない。
店の前に車を止めて店内で聞くと、スタッフの人が小さな紙切れをくれた。地図の通りに行けば店主が待っているという。
ハイセンスな店構え
駐車場に着くと店主らしき人が丁寧な挨拶で誘導してくれた。
通りから少し引っ込んだ店構えは、まるで都会にあるような高級割烹のよう。
漆喰や黒光りの天井や柱には、蓑やカズラ籠やアンティークの照明など民族工芸品が何気な配置され、それらが店の高級感を醸し出している。
オーナーの研ぎ澄まされた美意識を感じてしまう。
「水害で腰の高さまで水の被害を受け、ようやく再開にこぎつけた。」とオーナーの小田さん。
注文したのは「季節の旬彩」懐石。
コーンの甘味やセロリの香りを活かしたサラダ、ナメコの味噌汁、しっとりとしたごま豆腐、そしてワンプレートになったナスの田楽、てんぷら、鯛の焼き物、煮しめなどなど。
最後はあっさりとした甘さの肥後グリーンで〆。一品一品に手作りの味が伝わり、食べ残すところは少しもない絶品和食だった。
狭い店内なので先客を気遣ってのことか、多人数の予約希望客を電話で丁寧に断っているオーナーの声が聞こえる。
少し離れた席では、「三人の昔お嬢さんたち」がノンアルコールでたのしく女子会をしていた。
少人数で雰囲気とオーナーのもてなしと料理を楽しむことができる、まるでテレビドラマに出てくるワンシーンのような、上質の「大人の和食店」だった。ちなみに宴会や仕出しもしているという。