球磨郡錦町立「海軍ひみつ基地ミュージアム」。壮大さと悲哀を感じる「秘密基地」

球磨郡錦町の「海軍ひみつ基地ミュージアム」を訪れてみた。

人吉海軍航空基地は、太平洋戦争中の1943年(昭和18年)11月に、海軍施設部により建設された。全長1,500m 幅50mのコンクリート製滑走路の本格的な航空基地。

山の中の海軍の町 にしき ひみつ基地海軍ミュージアム | 熊本県球磨郡錦町

山の中の海軍の町 にしき ひみつ基地海軍ミュージアム | 熊本県球磨郡錦町

人吉市内から球磨盆地の奥に進むと、こんな所に海軍基地が?と思うような畑の中。敵にさとられにくい格好の「秘密」の場所である。

通称「赤とんぼ」と呼ばれる「九三式中間練習機」の実物大模型 | 海軍ひみつ基地ミュージアム

通称「赤とんぼ」と呼ばれる「九三式中間練習機」の実物大模型 | 海軍ひみつ基地ミュージアム

飛行機乗りを夢見た予科練生6,000名が飛行機整備術を学んだという。「赤とんぼ」の愛称で知られる九三式中間練習機の特攻訓練に明け暮れた。

小高い丘に縦横に掘られた防空壕の中で飛行機の整備や魚雷の製造が行われていた。

しかし人吉海軍航空基地の活動期間は、わずか1年9カ月と短いものだった。

丘の一角から地下壕に入ると、夏というのにひんやりとした空気。

案内人の方によると、ここに赤とんぼを格納して整備したり、魚雷を手作りしていたとは信じられないこと。

施設周辺に広がる戦跡を体験するガイドツアーも実施されている | ひみつ基地ミュージアム

施設周辺に広がる戦跡を体験するガイドツアーも実施されている | ひみつ基地ミュージアム

物資不足で家庭から集めた様々な金属を利用したり、石油がないので松の木の油脂をしぼって飛行機の燃料にしていたという。

松根油が採れる松の木の運搬の様子

松根油が採れる松の木の運搬の様子

敗戦末期の哀しい状況が想像できる。

壮大さと同時に戦争の哀しさをも感じてしまうこの「ひみつ基地」。一度は見聞してよい歴史の遺構だと感じた。

ミュージアム内の売店で販売している「海軍カレー」が人目を引く。キャッチコピーは「日本一値段の高い海軍カレー」。

記念にと思って買い求め、当時の人々を忍びながら家で食べた。

山の中の海軍の町 にしき
ひみつ基地ミュージアム

住所 熊本県球磨郡錦町木上西2-107
電話 0966-28-8080

営業時間 9:00~16:00
公式HP https://132base.jp/

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